ネットショップの
利益構造とは?What is the profit structure
of an online shop?

売上は順調なのに、なぜうちの会社(お店)は儲からないのだろう?

仕事柄、ネットショップを経営されている方からの相談を受ける機会が非常に多いのですが、その際に多くの方が口にされるのが、「売上は順調なのに、なぜうちの会社(お店)は儲からないのでしょうか?」と言う質問です。皆様の会社(お店)ではいかがでしょうか?

そこで、ネットショップ・オンライン通販の利益構造を説明しながら、みなさまの会社(お店)で利益を出すためのコツを考えて行きましょう。

ネットショップの利益構造

  • まず、ネットショップの利益構造を簡単な図にしてみましょう。

つまり、売上を上げても、②売上原価や③粗利益、④各種経費や⑤人件費等を引かれると⑥の営業利益は思いのほか小さくなってしまうということなのです。これを更に詳しく見てみましょう。

売上高

売上高は言うまでもなく、お客様が買ってくれた金額です。売上=客数×客単価ですので、たくさんのお客様に少しでも高い単価で買っていただいたり、一人のお客様にたくさん買っていただくことで、売上を増やすことは可能です。このあたりは日夜、皆様も研究されていらっしゃることと思います。

売上原価

売上原価は主に、皆様が販売している商品の原価です。仕入れて売っている場合は仕入れ値になりますし、自社で製造している場合は製造原価になります。

自社で製造している場合と仕入れている場合で原価率は異なりますが、自社で製造している場合は概ね20~50%程度、仕入れている場合ですと40~60%程度が多いようです。

原価率が高ければ高いほど、利益は出にくくなって行きますので、しっかりと管理したいものです。

売上原価

次に把握したいのが各種経費(主に変動費)です。

 

ネットショップの場合、販売にかかるコストが大きいので、原価が高くならないように気を付けていることとは思いますが、粗利が出ているのに営業利益が出ない要因の一つがこの各種経費です。

具体的には物流費や運賃といった送料関係、ショッピングモールの出店費用やロイヤリティ、ASP利用料、各種ポイント加算といった手数料関係、それに集客のための広告費(GoogleやYahoo!の広告費やSEO対策費等)がこれに当たります。

この中で特に大きいのが出店費用やASP利用料、ロイヤルティといったもので、自社サイトでも売上の5~7%程度、ショッピングモールを利用すると少なくとも売上の10%前後はかかりますので、かなりの費用と言えるでしょう。

 

同様に大きなものが物流費や運賃といった送料です。中には送料はお客様負担で販売しているショップもありますが、競争力の観点から「送料込み」で販売しているショップもあることでしょう。

その場合、きちんと送料を管理・把握しませんと売上は上がっているけれど送料を含めたら赤字ということもありますので注意しましょう。

 

そして各種経費の最後は広告費です。モールの出店費用が高いから自社サイトで運営されているという方もいらっしゃると思いますが、自社サイトの場合は自力でお客様を集客しなければなりませんので、Yahoo!やGoogle広告やSEO対策費用などが発生します。

商材にもよりますが、ネットショップ全体では10~20%程度はかかり、年々広告費用は高騰していますので、費用対効果をしっかりと把握して、何となく広告費を使うことがないようにしたいものです。

人件費・家賃等

人件費は言うまでもなく、経営者・役員の方の役員報酬はもちろん、ネットショップの運営の携わる社員やスタッフ、アルバイトのお給料などです。

家賃は、事務所の家賃だけでなく物流倉庫の賃料などのことです。

どちらもショップの売上に関係なく発生する固定費ですので、なるべくローコストオペレーションを心がけ、売上が少なくても利益がでるような財務体質にしたいものです。

ここまでのまとめ

このように売上から営業利益までの流れを見ると、最初は「こんなに売上が上がった!」と思っていたのに、手元に残るお金がどんどん心もとなくなって行くのも無理はない、とお感じになったと思います。だから「日々の売上・経費・利益の管理」が必要となる訳です。

そこで、引き続き「ネットショップで利益を出すコツ」についても考えて行きましょう。

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